環境保全米を使用した山廃仕込み。ふくらみのあるソフトな旨味と、酸味が山廃造りならではの重厚感・ボディー感を演出しています。甘やかで、カラメルやスパイスに似た熟成香、柔らかく優しい香りもお楽しみいただけます。
※本商品はお酒です。20歳未満の方はご購入いただけません。
・インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2023 「純米酒の部」シルバー
「山廃」とは、日本酒醸造における「酒母造り」の技法の一つです。酒母とは、日本酒の母と名が付く通りお酒造りを行う上で大変重要な役割を担うもので、糖をアルコールに変える酵母を大量培養した液体のことを差します。 「酒母」は、麹と水に酵母と蒸米を加えて造られますが、この工程に欠かせないのが「乳酸」です。乳酸は雑菌を除去して優良な酵母を繁殖しやすくする働きがあります。現在では液体乳酸を使用する「速醸酒母」が一般的ですが、この技法が考え出される前は、蔵の中に存在する天然の乳酸菌を取り入れる「生酛造り」が主流でした。ただ、生酛造りは手間と時間がかかる製法であったため、その一部の工程(「山卸」と呼ばれる作業)を廃止した新しい技法が生まれ、それを「山卸を廃止した酛」、略して「山廃酛」と呼ぶようになりました。一部工程は簡略化されたものの仕込みに速醸酛の倍の時間を要し、自然の乳酸菌が生成する乳酸により雑菌の増殖を抑制した、昔ながらの仕込み方法です。 今では多くの商品で、安定した品質になりやすい速醸酛を採用していますが、山廃仕込みのお酒も必ず一定数存在しファンも絶えません。手間と時間を掛けてでも造りたい、山廃仕込みのお酒の魅力とは何でしょうか。
天然の乳酸がゆっくり成長するのを待ちながら育てられた酵母は、速醸系の酵母に比べてパワフルで、出来上がるお酒は、旨味や酸の乗った深みのある味に仕上がる傾向があります。また、「蔵つき」と呼ばれる蔵に住み着く乳酸菌や酵母が取り込まれることで、その蔵独自の味わいが生まれると言われています。山廃仕込みを好む造り手や愛好家は、こういった蔵元の個性を楽しむ方が多いようです。 一ノ蔵の山廃仕込特別純米酒は、環境にやさしい米作りに取り組んでいる農家を支援することを目的に環境保全米を原料米に採用し、通常の日本酒よりもより自然な造りである山廃酒母でお酒を仕込むことで、消費者に環境への関心を持ってほしいと考えて造られました。山廃酛でありながらキレのある味わいを持たせつつ、山廃特有の奥深い味わいが調和するよう、一年間の熟成を加えることにより、複雑に絡み合う旨味や酸味それぞれの特徴が円やかに溶け合って調和し、口中を滑らかに広がります。活性炭の使用量もごく僅かとし、酒本来の持つ自然な旨味と、山吹色のやわらかな色合いを大切にいたしました。 山廃仕込みならではのしっかりとした味わいは、冷酒よりも常温〜お燗酒がおすすめ。強めの酸や苦味は温めることで味が纏まり、やわらかな口当たりが楽しめます。甘やかでカラメルやスパイスにも似た熟成香も是非ご体感ください。
生牡蠣、茶碗蒸し、ステーキ、ロールキャベツ