引用元:宮城の酒
気仙沼の蒼く澄んだ空を一升瓶に詰めたようなさわやかな酒を求めて
古くから日本有数の漁港の町として栄えた気仙沼で酒造りを続ける蔵元のひとつ、「男山本店」の看板銘柄は気仙沼らしい地酒が造りたいと平成14年(2002)に立ち上げた銘柄の「蒼天伝」。
「気仙沼の蒼天のように澄んださわやかな味わい」をイメージして命名された蒼天伝。その味がしっかりと定まったのは、平成17年(2005)に前々杜氏の鎌田勝平さんが蔵に入ってから、と前杜氏の柏大輔さんは語る。
「それまでの数年間はいわば試行錯誤の時代。どんな酒を造っていいかイメージが湧いてこなかった。でも鎌田とんつぁんの造った酒を飲んだとき、『あ、これが蒼天伝だ』と感じました。
気仙沼らしさを強調したすっきりとした酒質で、後味のキレがいい。魚料理を食べながら飲んでもらいたい酒なんです」
引用元:宮城の酒
造りに使う米のなかでもとくに思い入れが強いのは、平成9年(1997)に宮城県初の酒造好適米として誕生した「蔵の華」だ。社長の菅原昭彦さんは県の農業試験場にかけ合い、蔵の華の誕生に尽力した蔵元のひとり。その後、同市内の酒蔵・角星と協力して始めた契約農家による蔵の華の作付けは、東日本大震災後も変わらず続いている。消費者で結成されたサポーターズクラブと蔵人が力を合わせ、田植えや草取り、稲刈りなどの農作業にも携わっている。
「農家の方々との交流を通じて、“地元の米”をより意識するようになりました。あの一生懸命さを知ってしまったら、米ひと粒も無駄にはできません。この米で良い酒を醸したい。造り手として素直にそう思いました」
前杜氏の柏さんは噛みしめるようにそう話した。
そしてこの想いを引き継ぎ、令和4年(2022)より新杜氏として着任したのが、現杜氏の窪島衣通絵(いとえ)杜氏である。男山本店初の女性杜氏として伝統を守りつつも、新たな着眼点からより洗練された酒質へと進化を遂げるべく、日々真摯に酒造りと向き合っている。
引用元:宮城の酒
そうてんでん
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