気仙沼のまちとともに生き、新たな歴史と文化を育くむ
1912年、男山本店は日本有数の港まち・宮城県気仙沼に創業いたしました。以来、美しい自然と豊富な食材に恵まれたこの地で、100年以上にもわたって酒造りの歴史を刻みつづけてまいりました。これからもずっと、海と空とが蒼く蒼く染まるこのまちの風景のような酒を、造りつづけてまいります。
酒は、日本人の知恵・技・魂の結集であり風土の産物です。
気仙沼の私たちが造る酒には、気仙沼の風土が滲んでいます。
鮪や鰹や秋刀魚など四季折々に新鮮な魚介が豊富に水揚げされる港町・気仙沼ですから、私たちは海の幸をさらに美味しくお召し上がりいただけるよう、軽快で上品な淡麗さをもつ酒質をめざします。
宮城独自の酒米を作りたいという念願叶って「蔵の華」が開発され、酒米の品種に登録されたのは一九九七年のこと。「酒蔵の中で酒香を漂わせ人を酔わせる華となるお米」ということから、この名がつきました。以来、「蔵の華」を地元気仙沼の農家さんに栽培してもらい、酒蔵である私たちが買い取って酒を造り、それをまた地元の人たちに飲んでもらうという循環が生まれました。そのことによって田んぼを守り、田んぼを守ることで農村風景を残し、水も守るという仕組みをめざしました。「蔵の華」は、米の粒は大きく、低タンパク質のため、雑味のないすっきりとした酒が醸し出されます。
酒造りの水は、鹿折地区の「荒神湧水」と呼ばれる軟らかい性質の湧き水を汲み上げて使います。
この軟水が、柔らかですっきりとした口あたりをもたらしてくれています。
これからも気仙沼の地酒の造り手として風土を活かし、人と人との繋がり、人と自然との繋がりを大切にしていきます。
そして、人の喜怒哀楽すべての場面に関わる酒というものを、嬉しいときにも悲しいときにもそばにある酒というものを、できるかぎり美味しいものとしてお届けしていきます。